ブログのお引っ越しをしました
こちらのブログですが、以降noteの方に書いて行こうかと思いますのでよろしくお願いいたします。
このブログでは、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアを考えたり、モヤモヤを発信させて頂きました。記事を書いていくうちに考えがまとまったり、2人の著者の間で色々話したりと実り多い時間となりました。
また、皆さんにはお気に入りにいれて頂いたり、継続的に閲覧頂けたりと、勇気づけられました。またNOTEの方でもよろしくお願いいたします。
何かお困りの際はいつでもご連絡ください。
https://note.com/pj_pm/n/n78423b266073
パワーポイントエンジニアリング(3)
この記事でお伝えしたいこと
本記事(何回かに分けて書くと思います)ではパワーポイント作成のコツに関し、その『基本設計』について書き留めたいと思います。前回、パワーポイント作成についてその基本設計に対する考え方を記載いたしましたので、ご参考頂ければと思います。また、本ブログではプロジェクトマネージャーの生き方と題して転職やキャリアに対する考え方も記載していますのでご興味ありましたらそちらも参考願います。
パワーポイントエンジニアリング(2) - プロジェクトマネージャーの生き方
プロジェクトマネージャーの転職 その1 - プロジェクトマネージャーの生き方
前回記事にも記載いたしましたが、プロジェクトマネージャーとして生きるにあたって、また、プロジェクトマネージャーとして仕事を円滑に進めるためには様々なスキルが必要になります。それらのスキルは、大別するとハードスキル(専門性)とソフトスキルに分かれ、このうちソフトスキルのうち、伝える力に関係するのがパワーポイントエンジニアリングとなります。
パワーポイント作成の流れとしては、まずは以下のようなフローに乗っ取り進めるのが良いのではないかと考えており、今回は『2. 基本設計(骨子作成)』について述べます。
- コンセプト設計(構想の作成)
- 基本設計(骨子作成)
- 詳細化/実装(肉付け)
パワーポイント作成:コンセプト設計(骨子作成)
1.コンセプト設計(骨子)では、前回の記事で述べた通り、以下の内容が概ね固まっている前提で、パワーポイントの骨子作成を行っていきます。
- パワーポイント作成の目的を明らかにする
- 誰のためのパワーポイント作成なのかを明らかにする
- 何をどう伝えたいか明らかにする
ここでいう骨子作成とは上記の1~3を伝えるためのパワーポイントの流れのことを指します。簡単に考えるために、上記の1~3について以下が具体的に定まっているものとして話を進めたいと思います。
※ご自身の業務に読み替えていただければと思います。
- 1.パワーポイントの作成の目的
- 研究開発を行っている時に、プロジェクトの遅延が発見された
- この遅延を挽回するための施策案について関係者と議論し、筋の良さそうなものを選出したい
- 2.誰のためのパワーポイント作成か
- プロジェクト内関係者。ただし、話がややこしくなるのでプロジェクトに関わりの薄い上司や経営陣は除く
- 3.何をどう伝えたいか
- 遅延挽回策の候補
- 上記遅延挽回策のPros / Cons
- 今回の打ち合わせで上記遅延挽回策について筋の良さそうなものを選出し、大筋合意したい
- 今後
これらに沿うようにプレゼンテーションや会議の時間配分に注意しながら、PPTの骨子を作成します。骨子例は以下のような形となります。
-
目的
-
研究開発プロジェクトで発見された遅延の挽回施策案について議論し、最適な施策を選出する。
-
-
対象者
-
プロジェクト内関係者(上司や経営陣を除く)。
-
-
スライド骨子案
-
タイトルスライド
-
プロジェクト名、プレゼンテーションタイトル、日付、発表者名
-
-
目的
-
XXプロジェクトにおける遅延挽回策の議論と選出
-
-
プロジェクトの現状
-
遅延の背景と現状
- リスク・インパクト
-
-
遅延挽回策の候補
-
候補施策のリスト(箇条書き)
-
-
各遅延挽回策のPros / Cons
-
候補施策ごとにメリット・デメリットを表形式で整理
-
-
推薦施策
-
推薦する施策とその理由
-
-
議論/Discussion
-
筋の良さそうな挽回策の選出と大筋の合意形成
-
-
次のステップ
-
今後の計画と進行方法
-
-
この辺りも慣れがいると言えば慣れが必要なのですが、例えば最近はMicrosoft CopilotやChat GPT等がかなり進んでいますので、1~3辺りを食わせると(1~3に沿ってPPTの骨子を作ってとかいうと作ってくれます)これくらいの出力はすぐにしてもらえるので参考にしてみてください。吐き出させてみて、何か違うなという部分は修正するなどすると時間の節約になります。
骨子の枚数や時間配分ですが、抽象度が高ければ高いほど、また、経営レベルに近ければ近いほど(お金やリソース配分へのインパクト絶対量が大きければ大きいほど / 重要ステークホルダーへのインパクトが大きければ大きいほど / 会社の戦略:お金を何にどう使ってどう顧客開拓や売上をあげていくか、等)枚数は少なくすることがオススメとなります。抽象度が高ければ高いほど、個別具体の議論に行きにくいためとなります。
また、どんなプレゼンテーションでも、冒頭に背景・目的・対象者を記載することをオススメします。当たり前のことかもしれませんが、会議のゴールや不要な参加者/必要な参加者を選定する観点からも重要と考えています。
いかがでしょうか?ここまでくれば、あとは骨子に沿って内容を埋めていくイメージがついたのではないでしょうか。
次回は、これらを元に『3. 詳細化(PPT完成に向けて)』について述べたいと思います。主に構造化のTIPSや見やすさからの観点となります。
(書き手:S)
※ 参考になったらクリックお願い致します
プロジェクトマネージャーの転職 その13
2024年の5月から書き出したヨーロッパにおける転職体験談ですが、もう年末ですね。思いつく限り書いていたらこんなに長くなってしまいました。
今回は私の通った転職までの4段階
- モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す
- シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る
- ワクワク: 応募の準備をする
- ドキドキ: 応募、選考(特に面接)
のうち、第4段階の第5話です。
バックナンバー
第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):
プロジェクトマネージャーの転職 その1 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - プロジェクトマネージャーの生き方
番外: プロジェクトマネージャーの転職 その4 - プロジェクトマネージャーの生き方
第3段階(ポジションを探しながら履歴書などを準備した頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その5 - プロジェクトマネージャーの生き方
中盤: プロジェクトマネージャーの転職 その6 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その7 - プロジェクトマネージャーの生き方
延長戦: プロジェクトマネージャーの転職 その8 - プロジェクトマネージャーの生き方
第4段階(刷新した書類で果たして今度はうまくいくのか、期待と不安が半々だった頃)
第1話: プロジェクトマネージャーの転職 その9 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2話: プロジェクトマネージャーの転職 その10 - プロジェクトマネージャーの生き方
第3話: プロジェクトマネージャーの転職 その11 - プロジェクトマネージャーの生き方
第4話: プロジェクトマネージャーの転職 その12 - プロジェクトマネージャーの生き方
転職への道 第4段階 ドキドキ編 第5話
前回はどのような人達が面接官として登場するのかということと、大まかな面接の心得について書きました。
既に述べた通り、面接は最低でも2 - 3回あり、その都度色々な面接官が出てくるのですが、それぞれ見ているところが少しずつ違います。ですので、それぞれどんなことを話せば良いのか書いていきたいと思いますが、今回は「将来の上司」との面接における心得についてお話しします。
面接の心得 - vs 将来の上司
言うまでもなく、面接で最も重要な役割を担っており、決定権の7 - 8割はこの人が握っています。まずは将来の上司になる人を納得させないと採用してもらえません。
まずは彼(彼女)らが主にチェックするポイントですが、次の2点です。
- 採用ポジションに必要な専門知識、職務経験(プロジェクトマネージャーのポジションの場合はプロジェクトマネジメントの経験が当然含まれる)
- 今いる従業員との親和性
一点目が最重要ですが、履歴書を書くときに考えた自分を売り込むストーリー(以前の記事)をしっかり頭に入れて、前回「面接の心得 - まずは一般論から」(前回の記事)にてお話ししたことに注意を払えば特に新たにここで書くことはありません。
ですのでここではまず二点目についてお話しします。
尖りすぎも考えもの
ポジションにもよりますが、プロジェクトマネージャーのポジションではほぼ100%チームプレーが要求されます。しかも、自分が採用された後に自分の好きなようにチームを作るケースはほぼなく、今いる従業員がプロジェクトのメンバーになって一緒に働くことを期待されています。従って、まず大前提としてチームプレーのできる人かどうか、次に、今いる従業員とマッチするかどうか(社風とマッチするかどうか、とも言えるかも知れません)は採用する側としては特に気になるところです。
ここで難しくなるのが、自分の優秀さをアピールしすぎると、スタンドプレーの目立つワンマンスタイルだと勘違いされ、チームプレーの観点からはネガティブに捉えられる可能性があるということです。これまでの経験を挙げながら自分の強みを語る際に、「自分が問題を解決した」という話だけではなく、「チームと協力して解決に導いた」「チームが問題に取り組むのをサポートした」「チームが問題解決しやすい様な仕組みを構築した」など、チームプレーの話を程よく織り交ぜる必要があると思います。
チームプレーの話をうまくできても、今いる従業員とマッチするか、社風とマッチするかは流石にいきなりは分かりません。欧米の大手自動車メーカーだとちょっと強引なオラオラスタイルの方が好まれると聞いたこともありますし、あまり尖っているよりは協調的な人を好む会社もあるようです。こればかりは自分の性格と合うのか分からないので、変に猫をかぶるよりも自然体でいるしかないでしょう。もし社風とマッチしないということで落とされたとしても、自分の性格とマッチしない社風の会社で働くことはストレスなので、むしろ入社前に性格の不一致が分かって良かったと考えれば良いでしょう。
従業員や社風との親和性について、面接中にその感覚が掴めなかった場合は、むしろこちら側から聞いてみても良いと思います。私の場合は、ある鉄道業界のポジションに応募した時に、面接官が自分と同様に自動車業界からの転職者だったことがあり、鉄道業界全般、もしくはその会社の雰囲気は自動車業界とどう違うのか、質問したことがあります。素直な感想を聞かせてもらましたし、自分のスタイルとマッチしているのではないかと感じることができました。
人間臭さも出していく
先ほど、将来の上司になる人がチェックしているポイントの一点目をあっさり飛ばしてしまいましたが、やはり最重要項目ですので、相手の期待している能力が何なのか改めておさらいしておきたいと思います。(これまで書いてきた内容とあちこち重複するかも知れませんが・・・)プロジェクトマネージャーに期待する能力は以下の3つだと考えます。
- 計画策定能力: プロジェクトの計画(予算案、スケジュール)を立てられること
- 計画遂行能力: 策定された計画を遅滞なく実行できること
- リカバリー能力: 計画通りに進まなくなった時に、問題を解決し、再びプロジェクトが「流れる」ようにすること
これらの能力があることを、これまでの実体験を挙げながらアピールしていくわけですが、ということは「リカバリー能力」をアピールするには問題に直面した話をしないといけません。前回もお話ししましたが、やはり良いことばかり語っても現実味に欠けるので、困ったこと、失敗したこともあったということをしっかりと話すべきです。このような経験は決してマイナス要素ではなく、それをどう乗り越えてきたのか、次はどう対応したいか、という前向きな考察があればとても評価されます。
黙っていても、「問題に突き当たったことはありますか?」という質問がされるケースは非常に多いです。面接前に過去の経験をしっかりと振り返って、失敗したこと、問題に突き当たったこと、それをどう乗り越えてきたのか、反省は何か、というネタをちゃんと引き出しに入れておきましょう。
しかし禁句もある
失敗したことと同じぐらいの頻度で、「自分の短所は何だと思いますか?」と聞かれます。自分の短所をしっかりと理解した上で、どう改善していきたいのか、ということをすんなりと説明できるようにしておく必要があります。
私はこの質問に対して、当初は「ここのネイティブの人に比べると、若干押しが弱く、議論でまくしたてられることがある、だって外国人(日本人)なんだもん、テヘ」という答えをしていました。そして、何度か落とされているうちに気づいたのですが、欧州で(プロジェクト)マネージャーのポジションに応募している限り、実はこれは完全に禁句だったのです。
欧州では、マネージャーと名のつく職種にいる限り、「気が弱い」「押しが弱い」はタブーです。これを言った時点で適性無しと判断されます。やはり自己主張、議論の文化、自分の任務を遂行し、部下を守るためには「押しが強くて議論に負けない」は必須のスキルと考えられているようです。
決して嘘はつくべきではありませんが、よっぽど突っ込まれない限りは何か他の短所について語った方が無難です。
今どきウケる言葉は
タブーがあれば、ウケるというか好感度の高い言葉もあります。
「Empathy」(共感)という言葉がマネージャーに必要な特性として注目された時期があり(少なくとも前職ではマネージャー研修でよく聞いた時期がありました)、恐らく今でも自分の性格や長所を表す言葉として「empathic」(他人と共感できる)を用いると、この一言で「従業員の目線で考えることができ、サーバントリーダーシップを実践できるいい感じの人」という印象を醸し出すことができる気がします。(あくまで個人的印象なので、話半分に聞いて下さい、、、)上で述べた、「今いる従業員との親和性」の判断にもポジティブに働くと思います。
乱暴な言い方になりますが、基本的に「空気を読む」ことに慣れている日本人は、個人主義の欧米人と比べると特に気を使わなくても「empathic」に見えることが多いようです。(あくまで平均値の話です、もちろん個人差はあります)ですので、欧米人に比べちょっと押しが弱いが、皆の話を聞き、顔色を伺い、根回しをしつつ仕事を回していくタイプの方は、いっそのこと「empathic」という言葉を使ってみては如何でしょうか。上で禁句について話しましたが、押しの弱さの欠点を「empathic」と呼ぶことでむしろ長所として表現できるわけです。
ちなみに私は一度、「Empathy」という言葉を習いたての直属の上司(新しく赴任してきて私のことをあまり知らなかったのですが)に、マネージャー研修の目標に「Empathyを理解し、日常業務で実践する」と書かされ、それを見たそのさらに上のエラい方に(付き合いが長く、以前から私のことをよく知っていた方)に「Empathyの塊みたいなお前が何でEmpathyを学ぶんだ?」と言われたことがあります。その時、私もこの言葉をよく理解していなかったのでとりあえず上司に言われるまま書いたのですが(その上司には「Empathy」のカケラもなく、他の目標を提案したのを却下されて押し通されたのもあり・・・)、私は普通にしているだけでこちらの人間からは「empathic」だと見えていたようです。大体、私の研修の目標に無理やり「Empathy」と書かせる時点で、本人は全く「Empathy」を理解していないという何とも皮肉な話でした。
今回は、将来の上司になる人と面接する場合に気をつけるべきことについて思いつく限り書いてみました。選考の最重要人物なのでかなり長くなってしまいましたが、とにかく難しいのは「自分個人の能力と経験を売り込み、マネージャーとしての強さもしっかり見せながら、チームプレーができることを納得してもらう」ということをうまくバランスをとりながら盛り込んでいくことです。母国語なら頭をフル回転させれば何とかなるかも知れませんが、ただでさえ考えることがいっぱいあるのにさらに外国語でとなるとやはり場数が物を言うかなと個人的には思います。最初からうまくいかないかも知れませんが、面接で落とされてもめげずにとにかく応募し続けることをお勧めしつつ、今日はここまでとします。
次回は将来の同僚と面接する場合と、人事部と面接する場合に注意すべき点についてお話ししたいと思います。多分年明けになってしまうと思います。それでは、良いお年をお迎え下さい!
(書き手K)
プロジェクトマネージャーの転職 その12
個人的な転職体験談を徒然に書いてきましたが、ようやく面接にこぎ着けました。
今回は私の通った転職までの4段階
- モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す
- シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る
- ワクワク: 応募の準備をする
- ドキドキ: 応募、選考(特に面接)
のうち、第4段階の第4話です。
バックナンバー
第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):
プロジェクトマネージャーの転職 その1 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - プロジェクトマネージャーの生き方
番外: プロジェクトマネージャーの転職 その4 - プロジェクトマネージャーの生き方
第3段階(ポジションを探しながら履歴書などを準備した頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その5 - プロジェクトマネージャーの生き方
中盤: プロジェクトマネージャーの転職 その6 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その7 - プロジェクトマネージャーの生き方
延長戦: プロジェクトマネージャーの転職 その8 - プロジェクトマネージャーの生き方
第4段階(刷新した書類で果たして今度はうまくいくのか、期待と不安が半々だった頃)
第1話: プロジェクトマネージャーの転職 その9 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2話: プロジェクトマネージャーの転職 その10 - プロジェクトマネージャーの生き方
第3話: プロジェクトマネージャーの転職 その11 - プロジェクトマネージャーの生き方
転職への道 第4段階 ドキドキ編 第4話
前回まで書いてきたように、私は基本的にはLinkedInでポジションを探していました。以前は、そもそも何がしたいのか、ということがはっきりとしていなかったので、自動車メーカーに応募してみたり、空飛ぶタクシーを開発しているベンチャーに応募してみたりと節操がなかったのですが、今やミッションステートメントもあるわけで、それに従って自動車以外の業界でこれまでの経験が活かせそうなポジションに応募しました。
新しい武器を手に入れた効果は・・・?
これまで色々と偉そうに書類の書き方などを語ってきた訳ですが、果たして効果があったのか・・・
結論を言うと、効果はあったが飛び道具とまではいかない、といったところでした。
以前にお話しした「キャリの3要素の法則」(以前の記事)に従って応募しようとはしたのですが、結局、中々全てを満たすポジションも出てこないのと、募集要項だけでは具体的にどのような業務、プロジェクトを想定しているのか分からないことも多いので、多少間口を大きくして鉄道、航空業界の「技術系のプロジェクトマネージャー」ポジションに応募しました。その結果、鉄道業界は幾つかのポジションで書類審査を通って面接に呼ばれましたが、航空業界では面接に至ることはありませんでした。
これは、鉄道業界のポジションは、車両やシステム開発に携わるものだったのでこれまでの経験に近かった一方、航空業界は整備や機体のリニューアルに関わるものでこれまでの経験とはかなり離れていたからだと考えています。つまり、「キャリアの3要素の法則」の「業界」だけでなく「専門分野、職種」も被りが弱く、法則からは外れてしまっていたわけです。同じプロジェクトマネージャーでも航空業界は特に開発、認可のプロセスが複雑、厳格なため、業界の経験が必要とされているようです。
どんなに履歴書をしっかり書いても、「キャリアの3要素の法則」から外れると中年おじさんの転職はやはり厳しいと実感しました。
突然電話が鳴る
晴れて書類で合格となると面接の日程を決めるための連絡がくるのですが、これが大体どの会社でも電話なのです。本当にいきなりかかってきます。メールだと何往復か必要になりますが、電話だと数分で決められるからでしょうね。最近は詐欺のような電話もありますから、全く知らない番号からかかってくると戸惑いますが、ポジションに応募した後は心の準備はしておいた方が良いでしょう。
大きい会社だと大体人事部から電話がきますが、それも実際に面接をする人ではなく、面接の日程調整だけやっている人(インターンや、若手、ひょっとしたら外部委託の可能性も)の場合が多いです。だからと言ってぞんざいに受け答えして良い訳はありませんが、必要以上に緊張する必要はありません。
面接は最低でも2 - 3回
大体どこの会社でも、面接で登場する人達は以下のカテゴリーに分類できます。
- 所属部署のマネージャー(将来の上司): 言うまでもなくありませんが、専門知識のレベル、経験の有無、チームメンバーとマッチするかをチェックします。
- 所属部署の募集ポジションと同等レベルの従業員(将来の同僚): 将来の上司が面接するのは当然として、最近ではチーム面談を採用している会社も多く、将来の同僚数人と面談するケースもあります。最終的に一緒に働くのは彼等なので、「いい感じでコミュニケーションできるか」が判断されます。チェックリストがある場合もあるようですが、結構直感によるという話も聞いたことがあります。
- 人事部: これは説明の必要がありませんが、所属部署が専門知識のレベルを判断するのに対し、人事部は主に雇用条件(給料、勤務地)がマッチしているかと一般的なソフトスキルをチェックしていることが多いです。私は一度、何の脈絡もなく突然ダイバーシティへの考え方を聞かれたことがあります(会社の求める一般的なソフトスキルの一部なのでしょう)。
- コンピテンス評価員: ちょっと意味が分からないかも知れませんが、マネージャーレベルのポジションで登場することがあります。大きい会社はマネージャーになるのに一定の研修を行うことが多いのですが、要はいきなり社外からマネージャーレベルに入社する人がその研修を受けたのと同等の実力があるのかをチェックするということです。どうやって、ということは後ほど(多分、次回か次々回ぐらいで)詳しく説明します。研修内容との比較になるので研修センターの講師が面接官になるケースが多いようです。そして、大企業の場合研修センターの講師は大抵外部の委託ですので、私の時はフリーランスの講師のような人が出てきまた。
- (場合によっては)役員: 会社によっては役員面接があるようですが、私はこれまで超巨大企業しか応募してこなかったので、当然役員面接の経験はありません、、、何を見られているのでしょうね??
これらの面接官とどの順番で何回面接するかは会社によります。
あまり参考にはなりませんが、私が経験したのは、一番手の凝ったケースで 2(将来の同僚)+3(人事部) => 1(将来の上司) => 4(コンピテンス評価員) 、オーソドックスなケースで 1(将来の上司) => 1(将来の上司)+3(人事部) や 3(人事部) => 2(将来の上司)というものがありました。
ですので私が体験したのは面接2 - 3回のケースだけですが、中には面接を5回以上実施する会社があると聞いたことがありますので、最初の面接の最後に全体の流れを確認するのが良いでしょう。
面接の心得 - まずは一般論から
ここから実際に面接で何を話せば良いのかという話をしていきますが、今回は大前提もしくは一般論をお話しします。次回以降、上記の登場人物毎に注意事項を書いていくつもりです。
大前提としては、
- 履歴書を書いた時に考えた自分を売り込むストーリー(以前の記事)に沿った話をする
- 各売り込みポイントについて具体的な例(過去のエピソード)を挙げられるようにしておく
- これらの話をメモを見て読むのではなく、自分の言葉で語れるよう、しっかりと頭に入れておく
つまり、履歴書も込みで売り込みストーリーに一貫性を持たせ、具体例を挙げることで話にリアリティを持たせることが重要となります。
ちょっと子供っぽいですが、面接前に一度頭の中で、こう聞かれればこう答える、とシミュレーションしておくと本番でかなり余裕が出るのは確かです。もちろん、大抵の場合シミュレーション通りの質問ではなく予想外の質問が出ますので、ある程度場数を踏んで、こんなことも聞かれるのか、と経験を積み上げておくことをお勧めします。
以上、自分の売り込み方に関する話でしたが、その他基本的なこととして、
- 売り込みたい気持ちは一旦抑えて、まずは相手の質問に簡潔に答える
- 相手が話している時に遮ったりせず、まずはしっかり話を聞く姿勢を見せる
- 何事もバランスが大事だと心得る
以上3点、当たり前のことではありますが挙げておきたいと思います。
どこかの会社のカリスマ社長にでもならない限り、基本的には「この人と一緒に働けるか」ということが見られています。質問に答えない、話を聞かない人と一緒に働きたいと思うでしょうか?議論や交渉に強い、濃いキャラクターを売りにしたい場合でも、相手の話を聞かないでも相手が感心してくれるような、相手を魅了してしまうようなトークができない限りは、当たり前の会話のキャッチボールができることを見せる方がよっぽど無難です。
とにかく「余裕のある対応」を心がけて下さい。焦ると、相手の質問に答えないまま自分の売り込みストーリーを強引に始めてしまったり、相手がまだ喋っているのに遮ってしまったり、どちらも印象は良くありません。売り込みたいことは山ほどあるし、時計の針はどんどん回ってしまうでしょうが、聞かれてもいない内容を無理やり詰め込むより、相手の質問に沿ってそこに絡められる話に絞った方がよっぽど好印象です。
最後のバランスの話ですが、話す時間 vs 聞いている時間、成功談 vs 失敗談、ポジティブな話 vs ネガティブな話、こういったことがどちらか一方に偏りすぎないように気をつけて下さい。とかくうまくいった話ばかりをしがちですが、絶対に問題に突き当たったことがあるはずなので、うまくいかなかった経験、それをどう乗り越えたのか、そこから何を学んだのか、そういう話もしっかり混ぜることで現実味が増し、人間臭さが共感を呼ぶことになるので、失敗(からの復活)談を引き出しに持っておくことをお勧めします。
今回は、面接までの顛末と、面接の心得の一般論についてお話ししました。
次回からは、面接官(のカテゴリー)毎に注意すべきことについて書いていこうと思います。
(書き手 K)
プロジェクトマネージャーの転職 その11
個人的な転職体験談を徒然に書いていたら既に10回を超え、これから面接の話などを書いていったら15回を超えるかもという予感がしてきました・・・
今回は私の通った転職までの4段階
- モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す
- シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る
- ワクワク: 応募の準備をする
- ドキドキ: 応募、選考(特に面接)
のうち、第4段階の第3話です。
バックナンバー
第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):
プロジェクトマネージャーの転職 その1 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - プロジェクトマネージャーの生き方
番外: プロジェクトマネージャーの転職 その4 - プロジェクトマネージャーの生き方
第3段階(ポジションを探しながら履歴書などを準備した頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その5 - プロジェクトマネージャーの生き方
中盤: プロジェクトマネージャーの転職 その6 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その7 - プロジェクトマネージャーの生き方
延長戦: プロジェクトマネージャーの転職 その8 - プロジェクトマネージャーの生き方
第4段階(刷新した書類で果たして今度はうまくいくのか、期待と不安が半々だった頃)
第1話: プロジェクトマネージャーの転職 その9 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2話: プロジェクトマネージャーの転職 その10 - プロジェクトマネージャーの生き方
転職への道 第4段階 ドキドキ編 第3話
このブログでは、私がとある欧州の国でLinkedInを使って転職した顛末をお話ししているわけですが、今回はLinkedInを通してポジションに応募した時の経験について書いていきます。
前にも述べましたが、LinkedInとはビジネス使用に焦点を当てたSNSで、グローバル版ビズリーチのような側面もあります。多くの会社がLinkedInで求人情報を公開しており(私の住んでいる国では大手の会社はほぼ100%の印象)、求人情報のページから直接応募することができます。
「応募」ボタンの先は・・・
LinkedInで求人情報を見ていると、ページの上の方に「応募」と「保存」のボタンがあります。「保存」は気軽に押せますが、「応募」を押すのはちょっと躊躇いませんか?私も一番最初は、このボタン一つで本当に応募してしまったらどうしようと思ったものです。
「応募」ボタンをクリックして即応募完了とはなりませんので、そんなに心配する必要はありません。時々「Easy応募」というボタンもあります(後で少し説明します)が、こちらもクリックして「応募ありがとうございました」という画面は出てきませんのでご安心下さい。
むしろ、大企業の場合はそこからその企業の採用サイトに飛ばされるケースが大半です。
結局アカウントを作ることに・・・
企業の採用サイトに飛ばされた場合は、結局一からアカウントを作り、パスワードを設定し、一から学歴、職歴を入力することになります。LinkedInで作ったプロフィールがここに自動入力されることはありません。ちょっと進んだサイトだと履歴書をアップロードすると半自動で入力してくれるケースもありますが、精度はまだまだで、自分の目でしっかり確認・修正する必要があります。
複数の会社に応募したい場合、毎回似たような工程が必要で正直面倒臭いですが、こればっかりは仕方ありません。あくまで個人的な印象ですが、異なる企業でも採用サイトは同一のシステムベンダーによるのものではないかと思われ、アップロードした履歴書からの自動入力機能が毎回毎回同じ間違いをするのにはちょっとイラっとしました(苦笑)
もちろん、同じ会社で他のポジションに応募する時には再度プロフィールを入力する必要はないので、それなりにメリットはあります。また、その場合、履歴書は最初にアップロードしたものをずっと使えば良いですが、カバーレターは各ポジション毎に若干アレンジして新しいものをアップロードしましょう。
「Easy応募」の場合は
上でも述べましたが、時々「Easy応募」というボタンがありますが、これをクリックした場合、LinkedIn内の応募フォーマットに飛び、ここで求められる情報を入力して応募することになります。LinkedIn内なので流石にプロフィールの情報としっかりリンクされていて、ちゃんとしたプロフィールを登録していれば大概の情報は既に入力されていますし、間違いの可能性も低いです。各企業の独自の採用サイトに飛ばされるよりはラクです。
結局、各企業が採用サイトを整備する時にどのシステムベンダーを利用するかという話で、LinkedInの「Easy応募」機能を採用するのか、他のベンダーのシステムを採用するのかでクリックした後に行き着く先が違うということでしょう。
またまた根拠のない個人的な印象ですが、大企業は独自の採用サイトを持っていることが多く(恐らく既存の人事システムとの接続する必要があるからでしょう)、ベンチャー企業はLinkedInの機能を利用しているケースが多いように感じます。
応募者の数
LinkedInでは各ポジションに応募した人数が表示されます。以前は、いつも「x人の応募者」と表示されていたのですが、最近は「応募」ボタンの場合(企業の採用サイトに飛ばされる)では「潜在的な応募者」、「Easy応募」の場合は「応募者」と表示されるようになりました。
企業の採用サイトに飛ばされるケースでは、「応募」ボタンをクリックして企業サイトへ飛んで行った人の数をカウントしていて、その人が本当に応募したか分からないから「潜在的な」という表現になったようです。
対して「Easy応募」では、応募プロセスがLinkedIn内で完結しているため、実際に応募したのかが分かるため、正確な応募者数が表示できるというわけですね。
私が応募した時はまだ「潜在的な」という表現がなく、常に「応募者」と表示されていました。実際に転職したポジションは「20人の応募者」となっており、遅すぎたか、と思ったものです。後で聞いた話では、実際にはそんなに応募者はいなかったそうです。
「潜在的な応募者」「応募者」が多いということは、もちろん若干出遅れたことを意味しますが、それが必ずしも不利ということではありません。たくさん応募者がいても、なかなかマッチした人がいなくてまだまだ探している場合もあります。最終面接で合格になっても条件面で折り合わずに辞退するケースも意外多いです。ですので、応募者数はそんなに気にする必要はないかと思います。
自分を売り込む - Initiative Application
LinkedInではできなくて、各企業の採用サイトで(時々)可能なのが、Initiative Applicationと呼ばれるものです。何か特定のポジションに応募するのではなく、自分の履歴書を送って「何か私に合ったポジションがあればご連絡下さい」とお願いします。もちろん、履歴書だけでなく、カバーレターにそういう旨と何故その会社で働きたいのか、どう会社の役に立てるのか、希望の職種などを書いて一緒に提出する必要があります。
どうしても働きたい会社があって、そこで自分に合うポジションが見つからない時に使える手ですが、どの企業の採用サイトでもできるわけではありません。私は2社ぐらいでInitiative Applicationが選択できるのを見つけてやってみましたが、結局連絡はありませんでした。事業急拡大中で人をたくさん募集しているか、よっぽど光るものがないと難しいのかも知れませんが、応募するのはタダなので、働きたい会社があれば挑戦してみることをおススメします。
こうしてポジションに応募し、先方が興味を持てば、遅くても1 - 2週間ぐらいで連絡がきます。個人的にはメールで連絡をもらいたいところなのですが(性格なのか、どうもいきなり知らない電話番号から電話がかかってくると緊張するのです)、電話がかかってくるケースが多かったです。その方が向こうには早いのでしょう。私の経験では、電話がかかってくるのは99%面接の日時を決めるためなので、書類選考をメデタく通過した証です。逆に書類で不合格の場合は、定型文の冷たいメールが来ます。日本でいう「お祈りメール」というやつですね。欧州でも「今後のご多幸をお祈りします」「何か良い仕事が見つかることをお祈りしています」など(英語だと"I wish you..."という文章ですね)やっぱり祈ってくれます(笑)
次回からは、ようやく辿り着いた面接についてお話ししていきたいと思います。
この記事を読んで下さった皆様のご多幸をお祈りしております。
(書き手K)
パワーポイントエンジニアリング (番外編: ネガティブな使われ方の場合)
このブログは二人の書き手(SとK)が気ままに書きたいことを書いているのですが、もう一人の書き手Sさんがパワーポイントエンジニアリングについて書き綴っています。
パワーポイントエンジニアリング(1) - プロジェクトマネージャーの生き方
パワーポイントエンジニアリング(2) - プロジェクトマネージャーの生き方
プロジェクトマネージャーでやっていく上で必要不可欠なコミュニケーションツールとしてどうやってパワーポイント(による資料)を駆使していくのか、そのコツについて説明してくれています。(まだまだこれから続いていきます)
今日はその番外編として、「パワーポイントエンジニエアリング」という言葉がネガティブな意味として使われているケースについてお話しします。本編と違い、特に役に立つコツのようなものを紹介するわけではないので、話半分に気楽に読んで頂きたいと思います。
ネガティブな「パワポエンジニアリング」
私が以前いた職場では「パワーポイントエンジニアリング」はネガティブな意味合いで使われていました。「パワーポイントを使って技術的な資料を作成する」という意味合いではなく、「いつまでもパワポのお絵描きをあたかも設計資料のように使っている」「設計作業が適切なツールを用いた作業になかなか移行しない」ことを揶揄して使われていた言葉でした。
製品開発においては、設計・開発作業はプロのツールを使用して行われるのが普通です。特に最近はシステムが複雑化しており、またトレーサビリティの確保やバリエーション管理なども必要となることから、「ちゃんとしたツール」で設計作業を進める必要があります。パワポ上で描いた設計図では流石に複雑なシステムの開発(特に変更が入った時など)に対応できませんし、Excelもトレーサビリティの確保などの要求には応えられません。
しかしながら、(私が以前関わっていた)新製品や新規技術の開発の現場では、コンセプトがおおよそ固まったら設計者はプロのツールを用いた設計作業を始めたいのに、多くのステークホルダー(社内のマネジメントや顧客)との議論が延々と続き、いつまでたっても最初に描いたパワポの図を弄りまわしているだけ、という状況が往々にしてありました。ちゃんとしたツールを用いた設計作業になかなか着手できないため、仕方なくその先の開発作業もパワポの図を用いて見切り発車する、という状況でした。プロのツールを使いこなせる「真の技術者」達はパワポだけで設計作業を進めてしまっている状況に不満をもち、皮肉たっぷりに「パワーポイントエンジニアリング」と呼んだものです。
パワポが悪いわけではない
ここではっきりさせておきたいのは、ネガティブな「パワーポイントエンジニアリング」は「適切なツールを使っていない」ことが問題なのであってパワーポイントというツールが悪いわけではない、ということです。
コンセプトを大まかに決める極初期の段階で、どうしても自由にお絵描きする必要があります。一昔前だとホワイトボードが使われたのだと思いますが、今は後々のことを考えると(メールに添付して送付したり、引き続き編集したり)どうしても電子ファイルの方が適しているでしょう。誰でも簡単に色々な図を描けるとなると、今の所パワーポイントが最も普及しているというだけのことです。人気者であるが故に、こういう時にも名前が挙がってしまうということですね。
かく言う私も、ただ使い慣れているという理由だけで、何か図を描きたい時はまずパワーポイントを開きます。本当は他にも良いツールがあるのでしょうが、結局いつかどこかでプレゼン資料に流用するかも知れないと思うと、パワポで作っておくか、となってしまいます。
プロのツールは敷居が高い
私自身、「話の分かるプロマネ」になりたくて、ちゃんとしたツールを使いこなすエンジニアの目を気にしてプロのツールだけを用いてプロジェクトを進めようとしたことがあります。設計・開発作業としては正しいやり方だったと思ってはいますが、完全にパワポのお絵描き無しというのもちょっと厳しいというのが正直な感想です。理由を以下に挙げます。
- プロのツールの図は素人には分かりにくい:
ツールにもよるとは思うのですが、プロのツールのブロック図などって結構地味というか、淡々とルールや標準に則って描かれているので、素人(マネジメントや顧客)には理解しづらいように感じます。大きなシステムのアーキテクチャをスクリーンショットにしてマネジメント向けのパワーポイント資料に貼り付けたりすると、字が小さすぎて読めなかったりします。パワーポイントで上手にデフォルメしてカラフルにして字も大きくした図の方がとっつき易いかも、というのが個人的な印象です。 - 使える人が限られている:
パワーポイントは誰のパソコンにも入っていますが、プロのツールを使おうとするとライセンスを購入する必要があったり(そしてそれが結構高い)、導入手順が複雑だったりで、なかなか敷居が高いケースが多々あります。ですので結局、普段から仕事で使っている技術者には問題なくても、ちょっとコンセプトに口を挟みたい人間(営業、マネジメント、プロダクトマネージャーなど)には使いこなせないのです。そうすると、例えば会議でコンセプトについて何か変更を加えたい場合(もしくは変更を提案したい場合)、いちいちツールを使える技術者にやってもらわないといけなくなります。 - ちゃんとした設計作業は時間がかかる:
そしてちょっとした変更や変更の提案をツールを使える技術者に盛り込んでもらうと、パワーポイント上で図を弄るよりは時間がかかることが往々にしてあります。正式な設計資料を扱うツール内で作業するのですから、バージョン管理などをしっかりやる必要もあり、ただスライドをコピーして色を変更したり四角い図形を付け加えたりするように簡単にはいかなかったこともありました。
以上の理由により、パワーポイントでお絵描きしたくなる場面が何度もあり、現にお絵描きしてしまったものでした。
結局はバランスが大事
結局のところ、パワーポイントを使いたくなるのにも訳があり、パワーポイントの手軽さ、ビジュアルの受容性と、プロのツールの一意性、正式性(日本語がおかしいですが、プロのツールを使った図は正式な設計資料にすんなりと使える、という意味)をバランス良く組み合わせていくしかないのでしょう。
絶対的な解決策があるわけではないですが(期待していた方、申し訳ありません)、個人的には、プロジェクトマネージャーも技術にそれなりの見識を持ち、プロのツールを用いて作られた設計図を議論の相手や目的に合わせて自分なりにデフォルメしてパワーポイントで表現することが必要なのではないかと考えています。複雑なシステムを開発するプロジェクトをリードするのであれば、時間とお金を管理するだけでは不十分なのではないでしょうか。
そうやって考えると、パワーポイントはもはや一つの表現、芸術ですね。私も、時折白いカンバスの前で頭を抱える芸術家みたいになる時があります(笑)
(書き手 K)
プロジェクトマネージャーの転職 その10
個人的な転職体験談も早くも10回目となってしまいました。
今回は私の通った転職までの4段階
- モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す
- シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る
- ワクワク: 応募の準備をする
- ドキドキ: 応募、選考(特に面接)
のうち、第4段階の第2話です。
バックナンバー
第1段階(だた漠然と現状に不満を募らせ、やさぐれた割には頭の中がお花畑だった頃):
プロジェクトマネージャーの転職 その1 - プロジェクトマネージャーの生き方
第2段階(自分の価値観などを整理しようとミッション・ステートメントを書こうとし始めた頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その2 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その3 - プロジェクトマネージャーの生き方
番外: プロジェクトマネージャーの転職 その4 - プロジェクトマネージャーの生き方
第3段階(ポジションを探しながら履歴書などを準備した頃)
前半: プロジェクトマネージャーの転職 その5 - プロジェクトマネージャーの生き方
中盤: プロジェクトマネージャーの転職 その6 - プロジェクトマネージャーの生き方
後半: プロジェクトマネージャーの転職 その7 - プロジェクトマネージャーの生き方
延長戦: プロジェクトマネージャーの転職 その8 - プロジェクトマネージャーの生き方
第4段階(刷新した書類で果たして今度はうまくいくのか、期待と不安が半々だった頃)
第1話: プロジェクトマネージャーの転職 その9 - プロジェクトマネージャーの生き方
転職への道 第4段階 ドキドキ編 第2話
前回は、私が基本的にLinkedInを利用して転職活動をしたという話をしましたが、今回はLinkedInで求人を出している会社や転職エージェントの方からスカウトを頂いた経験についてお話しします。
LinkedInでプロフィールをしっかりと登録しておくと、「向こう側」からお声をかけて頂けることが増えます。「向こう側」というのは別にあの世のことではなく、「人を探している側」のことです。大きく分けて二つのケースがあり、一つ目は求人を出している会社の採用チーム、二つ目は転職エージェントです。あくまで私の個人的経験ですが、転職エージェントから声がかかる方がかなり多く、比率的には2:8 (会社の採用チーム:転職エージェント)ぐらいでした。
転職エージェントの底引網漁
欧州で転職活動をしていると、イギリスの転職エージェントからやたらと連絡がきます。意外なところではインドのエージェントからも連絡がきたことがあります。エージェントがイギリスやインドから連絡してきても、求人そのものはちゃんと欧州(大陸側)のポジションでした。日本の転職エージェントは許認可の関係で外国の求人は扱えないケースが多いようですが、その辺どうなっているのか興味のあるところです。
色々お声がけして頂き、自分の知らなかったような会社を教えてもらい、そこは本当に有り難かったのですが、個人的には転職エージェントのやり方はあまり好きにはなれませんでした・・・その理由は、、
- やたらと急かされる:
LinkedInにメッセージがきたと思ったら、今すぐ、もしくは今日中に電話したいと言ってくる。電話したらしたで、仕事内容を棒読みし(恐らく本人はよく分かっていない)、良い給与だと強調し、応募するかどうかすぐに決めろと言ってくる。(待ってくれて一晩) - 結局「底引網漁」をしている:
「あなたの経歴は素晴らしい、求人にマッチしている」と言ってきたとしても、どうやら同じことを何十人に言っている様子。とにかく多くの履歴書をクライアントに送りたいというのが何となく伝わってくる。 - フォローがない:
クライアント側から選ばれなかったらその連絡はない。問い合わせても「こういうところが先方の条件とマッチせず選ばれなかったようです」という話はしてくれず、「クライアントの方で事情が変わり、この求人は保留になりました」みたいな説明が多い。
私の勝手な想像ですが、採用に至るだけでなく、できるだけ多くの候補者を探してきて履歴書を転送するだけでもお金を貰っているのではないでしょうか。とにかく数撃ちゃ当たる方式で、流れ作業で自分の個人情報が売買されている、一人一人の人生など別にどうでも良いんだろうな、と感じました。
もちろん、今すぐ新しい仕事を見つけたい、という人もいるでしょうから、そういう方はどんどんエージェントに紹介してもらって応募すれば良いと思います。私は、紹介してもらった会社のことを調べてみたり、自分のミッションステートメントとマッチするか考えたり、とにかく時間が欲しいタイプで、急かされるのが嫌だったので、あくまで個人的にしっくりきませんでした。
最後にもう2点、転職エージェントと話をする時の注意点を挙げておきます。
- 電話番号は極力教えない:
電話番号を教えてしまった後に連絡が取れなくなったり、怪しい詐欺のようなショートメールが届いたりしたことがあり、個人情報目当ての詐欺も多少混ざっているような気がします。結局直接顔を合わせているわけでもないので、相手が誰かなんて分かりません。私は最終的には、電話番号は教えず、ZoomかTeamsのWebミーティングにして欲しいとお願いして、LinedInのメッセージでミーティングのリンクを送ってもらうようにしました。それを渋る場合は怪しいかも知れませんね。 - 条件はベストケースかも:
給与の条件は最初はベストケースを言ってくることが多い印象です。そうやって興味を惹きつけておいて応募させようとしているのだと思います。詳しく話を聞くと「最終的にはクライアントが決めることなので、どうでしょうね」と言われます。もちろんそれは筋が通っているのですが、これぐらいの条件になるようにこちらでも尽力しますので、というようなことを言われたことはないです。応募して、面接でいいところまでいくと頑張ってくれるのかも知れませんが、最初に防衛線をはるようなことを言われるとちょっと不安になったのも事実です。
何かご縁があって信頼できる転職エージェントがいるのであれば、しっかりとお世話になれば良いのでしょうが、私の場合はLinkedInでは底引網漁にしか引っかかりませんでした。
会社の採用チーム
個人的にはあまり良い印象がなかった転職エージェントに比べると、人を探している会社の採用チームからのコンタクトは総じて快適でした。別に私から履歴書を巻き上げたからと言ってお金が貰えるわけでもないので、急かされることもなく、また職務内容や条件もちゃんと分かっていて、条件などの質問にもちゃんと答えて頂けました。
いきなり応募する勇気はないが、会社そのものに興味がある場合は、カジュアルな面談をお願いするのもアリだと思います。カジュアル面談をお願いすると、人事部の方と「気楽に」お話しするケースが多いですが、特に希望すれば求人を出している部署の方と直接お話しする機会を頂ける場合もあります。私は一度、とある会社でちょうど日本人の方がいらっしゃるとのことで直接お話しする場を頂いたことがあります。
人事部の方とお話しするのも良いのですが、やはり将来の上司や同僚になるかも知れない方と話してみて、その雰囲気を感じられるのは大きいと思います。ここで明らかに馬が合わないなと思ったら、例え仕事内容が面白そうでもやめておいた方が良いでしょう。結局のところハッピーに働けるかどうかは、直接関わる人達との関係が一番影響するので、最初に合わないなと思ったら多分合わないです。
転職エージェントを通すとこういうカジュアル面談をお願いしづらい(全くできないということはないでしょうが・・・)ですが、直接会社からコンタクトを貰った場合は遠慮なくお願いしてみることをお勧めします。会社側もそういうニーズはよく理解しているので、カジュアル面談を拒否する会社はこれまで見たことは無いです。
とりあえず返信はしておこう
転職エージェントからでも会社の採用チームからでも、LinkedInでメッセージをもらった場合は極力返信するのが良いと思います。条件がマッチしていなかったり、興味がなかったりした場合でも、その旨を正直に(そして礼儀正しく)返信しましょう。
確信があるわけではないのですが、LinkedInではアカウントがどれぐらいアクティブかを判断しているような気がします。ひょっとしたらの話ですが、アクティブでないアカウントは人を探している側が検索をかけた時に上位に表示されないのではないかと、、(何の根拠もないです、間違っていたらごめんなさい)そんな気がしたので、メッセージを頂いた場合は基本的に返信をするようにして、アカウントをアクティブに保っていました。メッセージをこまめに返すと、より多くのエージェントや会社からメッセージを頂いたような気がしています。
以上、LinkedInで「向こう側」からコンタクトを頂いた場合の経験談でした。
転職エージェントに関しては経験上若干ネガティブな書き方になってしまいましたが、総合的には、どんな情報でも一旦有り難く頂いて自分なりにしっかり吟味するのが良いと思います。思ってもいなかった会社やポジションと出会えることもありますし、それをきっかけにポジション探しの範囲を広げることにも繋がります。その一方で、あくまで自分のペースをしっかり守って、あまり相手のペースにのまれないようにして下さい。最終的には自分の人生ですから、焦らず、納得いくまで時間をかけて、それを待ってもらえないようであれば、それはそれでご縁が無かったぐらいに考えるぐらいの余裕を持つべきだと考えます。
次回は、実際にポジションに応募した顛末についてお話しする予定です。
(書き手 K)