プロジェクトマネージャーの生き方

キャリアへの示唆や組織の中での生き方について書いていきます

プロジェクトマネージャーの転職 その1

プロジェクトマネージャーとは何か、他のマネージャーと何が違うのか、という話を書いてきましたが、並行して自分の転職の話も綴っていきたいと思います。

私は新卒で入社した会社に15年勤めた後、今の会社に転職しました。その際に面接で聞かれたことを振り返ると、会社がプロジェクトマネージャーに期待する役割、要求するスキルを垣間見ることもできます。ちょっと脇道には逸れますが、転職の体験談から始めて、会社から期待されるプロジェクトマネージャー像というものを考えていきます。

ちなみに、私は海外で転職しましたので、ついでに海外転職事情のようなことも少し触れていくつもりです。

 

さて、振り返ってみると、私の転職活動は大きく4段階に分けることができます。

  1. モヤモヤ: 将来に不安を感じ、ただ漫然と探す
  2. シャキッと: 自己分析をし、ターゲットを絞る
  3. ワクワク: 応募の準備をする
  4. ドキドキ: 応募、選考(特に面接)

おそらく多くの方が似たような道を歩まれたことでしょう。

転職のプロなら真っ直ぐ第2段階に突入するのでしょうが、私も人生初めての転職ということでおっかなびっくり、へっぴり腰で始めたため、第1段階ですっかり時間がかかってしまいました。今回はその第1段階のお話です。ただ、この段階では転職に向けて何か具体的に意味のあることをしたわけではないので、転職に向けて心が傾いていった背景の話になります。

転職への道 第1段階 モヤモヤ編

そんなに悪くない、最初の会社での15年

最初に書いたように、私は新卒で入社した海外の自動車部品メーカーの本社で15年勤めました。そこではありがちな「エンジニアのキャリア」をゆっくりと辿り、エンジニアとして開発業務に携わり、プロジェクトマネジメントの真似事のような仕事もこなすようになり、その後プロジェクトマネージャーとして自分の担当プロジェクトを回し、最終的にはシニアプロジェクトマネージャーの肩書きをもらっていました。ゆっくりしたペースでしたが、製品開発部、研究所、子会社などで様々なプロジェクトに関わり、外国人にしては(会社からすると私は外国人)そう悪くない経験だったと思います。

ただ、シニアプロジェクトマネージャーになってから大きなプロジェクトを担当したことはなく、大きいプロジェクトを始めるための準備に関わっては失注などでプロジェクトが中止になる、ということの繰り返しでした。

やさぐれた日々

腰を落ち着けて打ち込めるプロジェクトが無い中でちょっとずつやさぐれていき、段々と他の会社のポジションを物色するようになっていった訳です。このやさぐれ感を今になって整理してみると、

  • (元)エンジニアとしてのやりがい
    会社がイノベーションを謳っている割には技術的に尖ったものが何も無い、というがっかり感。
  • プロジェクトマネージャーに対するモチベーション
    技術者からキャリアアップする登竜門だと言われたからプロジェクトマネージャーになってみたけど、部長になるには道がずれていないか、という疑問。
    そもそも部長になりたいんだっけ、出世って何なんだ、幸せって何なんだという疑問。
  • 若くしてさっさと出世する人達へのルサンチマン
    自分より若い部長レベルが一杯いてもう自分は周回遅れ、という手遅れ感。
    でも何であんな人たちが出世しているのだろう、というやっかみ。

が絡み合ったものでした。出世できないサラリーマンあるあるですね(苦笑)

こうなってしまったのは、ひとえに長期ビジョンの無さが原因でしょう。

出世したい人って早いうちから何をすれば出世できるのか考えてそこにちゃんと労力をかけていますよね。私は、技術的に「分かっている人」になりたい、という思いは強かったのですが、キャリアに関しては、頑張っていれば勝手に出世するでしょ、出世のためだけに何かするのはダサいと無邪気さ全開でした。結果、当然出世に関しては周回遅れとなりました。

アテも無く漂流

この段階では、こういった自己分析もまだできていないので、ただモヤモヤの腹いせに、

「何か他に面白いことは無いかな〜」

とLinkedInの「Open for new job」ボタンをオンにして、

いつか埋もれた自分の価値を見つけて大抜擢してくれるスーパーオファーがくるに違いない、と信じていました。

その状態で2年近くを過ごしました。

時々LinkedInで転職エージェントからスカウトを頂いたりしましたが、ピンとくるものもなく、逆にふと目について気にあった求人におっかなびっくり応募してみて音沙汰がなかったり、何の進展もありませんでした。

そうだ、人生について考えよう

時が過ぎ、モヤモヤを拗らせたまま年齢も40越え、いよいよミドルエイジクライシスの様相を呈してきた折、同じように海外で長くキャリアを積まれている先輩から、スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」についての話を聞きました。全部が全部その通りやらなくても良いけど、共感する部分があれば取り入れてみれば、とのことでした。

30代の頃は自己啓発的な話は怪しいとしか思っていなかったのですが、ここまでやさぐれてしまったら、そんなことも言ってられない、と少し調べてみることにしたのがきっかけで、徐々にですが、自分がどうありたいのか、自分は何をしたいのか、などということを考えるようになっていきました。

ここのあたりから、第2段階に入りますので、次回に書きたいと思います。

 

(書き手:K)